去年の2月7日、今は亡き瀧澤監督が八幡工房に来られている。
有田市で「瞽女(ごぜ)」の上映会があり翌日訪れてくれたのだ。
八幡工房に来られたのは何年ぶりだろう。当時、名探偵コナンのアニメ映画用に「ひまわり畑」の撮影に行く話をしていたからもう8年以上前のことだ。
監督との出会いは、友人のチェロ奏者のロビンさんが監督と和歌山に来られたのがきっかけで、なんやかんや初対面であったが話が盛り上がり家に泊まった時からの付き合いになる。当時小学6年生だった息子も、怪獣映画監督になるのが夢で今まで撮影した映像を監督に見てもらい批評してもらっていた姿を思い出す。その時から毎年、新作を作っては監督に郵送し見てもらっていた。もう感想を聞けないと思うと非常に寂しい。
「夢」と「情熱」「努力」について熱く語ってくれたあの日、好きなことをさせてやってください。という言葉に勇気をもらった。
それから数年、「瞽女」製作の熱を遠く離れた和歌山から感じながら僕らはその時を待った。東京都写真美術館での上映が決まった日、東京で学生生活をおくっている息子が招待された。何か大切なことを教えてくれたような気がする。